空をみて

90歳の父がコロナにかかった事で、更に肉体的にも言動にも急な衰えたことを聞いていた為回復したタイミングで神戸を訪ずれた。

ドアを開けると奥の方から「あぁ来てくれたの」「あら、お久しぶり」と割としっかりした声が聞こえてきて少し安堵する。卵焼きやお味噌汁におかず・・に「あぁ美味しいわ」「なぁおいしいね」と食べることが好きな二人の勢いにも安心する。

歩くこと、見る、聞く、話す・・通常の行為がかなりゆっくりになり運動量が減って筋肉量も落ち身体は小さくなった。そしてあれ程好きだったお風呂も見守りが必要となり少しは億劫になっているようにみえたので聞いてみると入りたい気持ちと疲れる思い半々との事だった(実際その後睡眠をとる)。

何だか一致しない会話に相槌を打ちつつ、肉体的に弱って内面に老いることもあれば、内面から肉体に老いることもあるかもしれない様々な老い、分かっているが緩やかにいきたいものできればこれが衰えなのかと笑える位でいたいな。

老い、を検索してみると色んなことばが挙がってくる中でこんなのがあった。

「老いとは過去の思いにしがみつくこと 若さとは新しき創造に挑戦すること

そうか・・

私はこの親の姿に限らない場面でもふっと平家物語の下りが浮かんでくる。

祇園精舎の鐘の声 諸行無常のひびきあり 沙羅双樹の花の色

盛者必衰の理をあらわす おごれる人も久しからず 唯春の夜の夢の如し

たけき者も遂には滅びぬ 偏に風の前の塵におなじ

高校生の頃だったか暗唱したが所どころ忘れている。でも心の底の方で消えては浮かびを繰り返す。

因みに検査を受けた際、お医者様が衰えの予防の紙を見せて話して下さった。

〇運動 〇会話 〇楽しみをもつ 〇計算と漢字(クイズのようなものでも)

〇頑固にならないこと

とのことだ。

肉体的に老いたとしても気持ちは水平線、しぜんにいたい。

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