水族館には多摩川の魚や骨や内臓が透けて見える透明の魚(グラスフィッシュ)、あゆ、金粉をふったような体のピラニアにスッポンもどき(名前がそうだった)にアロアナほか色んな魚たちが水槽で泳いでいた。南米で見たペンキで塗ったような配色の毒蛙も印象的だった。
そしてそこには他の小動物もいてネズミや夜はカピバラの展示もあるらしく、イグアナや小さな猿にカメレオンもいた。このカメレオン初めて見る生きものでなかったけれどくぎ付けになった。
魚が早くにしろゆっくりにしろ水中を動いていたからかもしれないが、このじっと動かずといって枝に座っているわけでもなくひたすら目をぐるりと動かして警戒しているのか獲物を探すか張り詰めた緊張感というのが透明な壁をこして伝わってきたからかもしれない。微妙に体が動いて次の行動が気になるのと目が左右違う方向に回転していて時々こっちを見たような微妙な動き。そして全体像がミニのトリケラトプス(恐竜)だと思ってしまい、頭や皮膚のぼこぼこした感じと色合いに見入っていたのだ。卵から産れると思うとなお映像で見たことのある恐竜を思ったしカメレオンは何を思っているのだろう・・とも。
帰って気になった事を少し検索していたら夜の睡眠中には体が白くなっている映像があった。え?!枝で目をつむって白くなっていて敵から襲われないのだろうかと恐らく余計な心配がよぎったが、この皮膚の細胞の働きとして光が当たることで細胞の大きさに変化が起きて色が変わるとあり、又神経とも繋がっているのでご機嫌、発情、妊娠したりしてもその時々の色が出るそうなのだ。ご機嫌斜めだと黒っぽくなるともあって話さない代わりに色で伝える事ができる、と知る。
この生きものはあまり動かない代わりに目を360度動かすことで身を守り獲物を見つけて長い舌を使って速いスピードで捕らえることができ、色でもって仲間には状態を伝えることができて他生物にはない機能が発達したわけである。
と、ひとも色が変化したら分かりやすいのにと間抜けなことがよぎっては思う、個人的な事だが自分に欠けているものの代わりに何か発達したもの成長しているものはあるのだろうか。いつも生きものを見て思うが見えない小さな細胞の働き、はすごいなと感じる。