家で生活用品が不足になって買い物に出向く。そしてその物の前までは勝手知った場所なのですぐにたどり着くが、そこからどれにしようかと少々試案の時間をとる。なぜかというとまずは台所洗剤、洗濯洗剤にハンドソープ・シート類・消臭剤・歯磨き粉そして入浴剤..などの商品に香りがついているからだ。無香料を選ぶこともできるが気になって小さな小瓶かプラスチックケースに見本の匂いが閉じ込められているのを開けてみる。そして購入して家で実際使ってみるとどうしたものか見当違いなこともあったりして、、洗剤類はミント系フローラル類が多いが、とりわけ入浴剤については様々な匂い、色、その商品のコンセプトとして温泉地の名前も入っている。プチ疑似体験できるし選り取り見取りだ。
五感。日常の中で目に見えてくるもの、情報を求めて見る事が増えた。駅アナウンスやメディアからの音声、行った先での人の声を聞いたりはたまたイヤホンで音楽を聴くことも多く(聴かなかったらいいのだが)、日常で溢れているなと思ったりする。そして食事で味を感じ、ものを触って良いものだと思ったり目をつぶってものを判断したり・・そうそう六感というのもある。当たり前のように五感といっているがいつから人はこういう認識をしているのだろう・・
この意図的につけられた匂いを嗅ぐことで心地よさや想像できる機会が増えるなと思うと同時やはり溢れているなと感じる。「嗅」という字を改めてみると犬が出てきてなるほどと犬はこのつけられた匂いというのは分かるのだろうか。
匂いのことを書いているとふと雨の後の土の香、草を刈った後の香、どこにあるのか探したくなるような花の香・・が浮かんできた。あの見えない空気を何気なく漂って鼻に伝える流れのあるもの。
商品を売るためではあるけれどどこかで人はその自然の香をいつも求めているのかなとも思う。本来求めることは澄んだ空気の中、目を閉じてできるだけ無の状態でどこからともなく流れてくるものを感じる静かな間なのかな。
この小さな絵葉書のような美しい文字で題が書かれてイメージの絵がある様々な名湯の袋を見て日常の香りを思った。