空をみて

< 東 園 >  

先月数年ぶりに上野動物園に行った。公園を散歩する時同様、この場所は気持ちが解放される心の遊び場でもある。最近ではパンダのシャンシャンが返還されたが相変わらずの人気、沢山の人の列ができているのを横目にマップの西園と東園に何の動物たちが待っていてくれるのか歩き歩き確認して、最初は入口に近い東園を見ることにした。こちらには必ず訪れたら見る象、虎、猿たち・・がいる。

ゴリラはほかの園でも見ることがなかったので期待したが、見下ろした先ちょうど死角にいて少し残念、後ろ姿少々だった。うん視線も疲れるよね・・と勝手に思った。ただ他の猿たちは、隠れる所もなく・・ 人間の違う種を見ているような感覚になり東西歩いた往復とも暫くの間(いや長い間)見ていた。しっぽで葉のついた枝をつかんで少し檻を上がろうとしては何度も落とし、見ている側もそれに合わせて「あぁ・・」「Oh..」と声が上がっていたが、そのジェフロイクモザルは根気よくまるでショータイムのように繰り返し挑戦し、さいごはちゃんとてっぺんまで持っていき落としてみせた。そして右へ左へ上へしっぽだか手で掴んだか目まぐるしく素早く移動き回り、止まったかと思うと今度は鉄棒の連続前転のように体操選手⁇のように何度も回って、観客⁇を悦ばせてくれた。いつの間にかちょっとした人だかりとなりそれぞれに笑顔と歓声が開いていた。

と、西園は不忍池側には、パンダ、ペンギン、フラミンゴ(珍しくそれぞれに声をあげ、羽を広げて同じ方向へ歩き出して賑やかだった)サイ、カバ、キリン・・アフリカの動物たち。キリンも間近でしっぽまで薄いココア色したあの模様があることを確認して嬉しくなったり葉を食べようと一歩段を踏み出して舌を最長に延ばしているのにあと少し届かない歯がゆい状況を見た。

そして、カバ。

神戸どうぶつ王国ではコビトカバが水中を泳ぐ姿が見られて必ず見るが、ここはこの少し黒いやや小柄のコビトカバと、少し皮膚に桃色の入った一トンはありそうな大きなカバさん2種が居る。少し遠くにみえるこの大きなカバさんは丁度眠りに入ろうか入らないかまどろんでおられる最中だった。こちら可愛い名前Yuiさんといい2011年7月24日生まれとある。何となく目が開くとこちらを見ているような感じで思わず眠いよね暇だよね・・と語ってしまった。食後だったかな。眠いけれど人のざわつき私のように写真を構える人で眠れないかな。

どちらのカバも種類は違うが体が光って小さな耳がとんがって大きさは違えどでっちりしている。ゆっくりしているが走ると早かったりなかなか勇ましかったりすると他の本や聞いたりしているが、そのゆっくりしている部分を見ているわけだ。この分厚いテカテカの皮膚、実は弱い、だから紫外線を通しにくい赤い油(汗といわれる)を出して体を守っているのだそうだ。この保護の液、生存していく為の進化なのだろうがいつ体がそういうことに気づいて変わってできているのだろう・・細胞が反応して動き出す地点というのは・・

これからも自然環境が変化していくとカバに限らず、今も何かが変わっているのかもしれない。人も動物も気づかないところで現在進行形(同時に退化)、変わっていっているのかもしれない。そして動物園のあり方に賛否両論があるだろうが、ひとだけでないということ、日本という国で違う国の「いきもの」を見られるということは、とても貴重でいて尊い存在だという事を示していると思う。また訪れよう。

< 西 園 >  

表写真がカバのYuiさんです。

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