職場に着いたら白い忍者みたいな恰好に着替えて(白衣)、服にコロコロをかける(埃をとる)、そして手をブラシを使って念入りに洗い互いにチェックしたりして、本日の仕事流れの確認をする給食室。この仕事に就くとは苦手だった子供の頃の自分、学生時代にOL時代想像していただろうか・・でも今は現実、色んな事があって手と体を使おうと自身のレパートリーも少ないし(今は検索すれば色んなものが作れますが)と始めた。
「今日もよろしくお願いします」で正にピーっと笛が鳴らされた感じで始まっていく。磁器食器も炊けた釜、器具、出来上がった食缶もそれなりに重いので持ち上げるのに上腕が使われて数か月すると夏のノースリーブは遠のくほどに筋肉はちゃんと成長している。午後も時間枠内でアドレナリン全開、全員で洗いから片付けまで全力で進めていくので途中から冬でも汗が出て通常の空気にふれると冷える位になっている。ゴム前掛けも昔は魚屋さんのイメージだったのが不思議な感じ身につけている。
と、肝心の「食」。今月の献立メニューを見てこの日は手間がかかるとか食器やカトラリー類の労力、あとはそれぞれに「これが食べられる」とお楽しみを探す。そう周りの(一部)女性はよく食べるが、中心になっている達磨さんに手足が出たような(失礼しました)笑い豪快どっしりした腕の良いチーフは少なめときている。ちゃんと理由はあって午後に動きにくいからだそうで納得だった。
メニューについて。先日のお雛様はちらし寿司・野菜の胡麻和え・桃色した桜の花の形のフも入ったすまし汁・抹茶ミルクゼリーだった。そのお寿司にもちゃんと仕上げにさやえんどうで彩りよく、ゼリーも新緑を感じさせる献立。ちゃんとしたお膳となり美味しく頂くのである(お支払いはしています)。家だとちゃちゃっとのお昼でこうはいかない。ほかにもビスキュイパン、ジェリエンヌスープ(単純なので勝手にパリジェンヌなどと想像しておしゃれねと言っていたり)かば焼き、松風焼き・・・卵焼きも内容を変えて色々ある。最初のころはお代わりがあっても「あ、お腹いっぱいです」と言っていたのがお腹いっぱいなのに一部のよく食べる一員になっている、めい一杯動いてよく食べる丁度給食部に所属しているというイメージだ。
先日は生徒さんの作文で世界一美味しいですということが書かれていたそうで、チーフを始め嬉しそうな春めいた空気が朝礼で流れていたのが印象的だった。
この給食有り難くお腹いっぱい、また違う意味でそろそろお腹いっぱいになってきている今日この頃のこと、だ。