空をみて

今は冬。けれど、東京の大きな公園を訪ねてみるとまだ「秋」が見られる。ここに住んで6年以上経つがこんなに紅葉をじっくりしっかりと見たのは生まれて初めてのことで、浜離宮恩賜庭園、新宿御苑・・にしても桜の咲く春しか訪れたことがなかった。ニュースでも海外の方が日本の紅葉を見て感嘆している様子を見ていたが、今迄京都・奈良のお寺の紅葉を見て知ってはいたものの、この大きな公園で見る紅葉は改めて初めてだな、と思う。

きっちり季節に沿って管理されている庭園・公園を見ると、さすが東京だなと感じる。イロハモミジの色は、グラデーションで何ともいえない優しい温かな色が一枚の葉っぱに広がって、これがまた何枚も枝に広がっているので樹全体、その周辺がじんわりとした「秋」となり、見る人を惹きつけている。と、イロハモミジというが、イロハカエデとも呼ばれているそうだ。ほかにも黄色・緑・鮮やかな赤い葉のモミジがあってこの日本の秋を象徴する美しい樹となっている。

そういえば、今月新宿御苑のもみじ山でたまたま会ったおじさん?おじいさん?(動きがとても若々しかったのでおじさんかな・・)と、園内の樹の話しになった。所どころでは高そうなカメラを持ったおじさんが、池でサカナをじっと待っているサギみたいに良いポジションでじっとシャッターのタイミングを待っているのを見かけた。この方とは「綺麗ですね。」という会話から始まって、そこからその日の写真同行となった。あそこのあの場所が良いよとかあの樹がいいよ、とご自分の庭を案内するみたいに次から次へとポジション移動をしながら樹の名前までスラスラと(時々なんだっけ・・すぐ忘れちゃうんだよなと言われていたけれど)ご説明頂いた。私なんかは聞いたことがある名前さえ、樹と一致していないことが多いのに・・ でも当然というかもう30年近く通っておられる(年パス)ようなので、ある店員さんとも顔馴染みで分からなかったら教えてもらっているそうだ。(こんな詳しく書いてよかったかな、、) 自分はスマホで撮っておじさんは高価なカメラで、同じ場所で思い思いの角度から撮り、こんなの撮りましたよと言って見せたり見せてもらったりした。アングル良いんじゃない、グッドジョブねと言って下さった。(実際後日、私のアングルで数日の経過した景色がアップされていてイイねを貰われていた(笑))どちらにせよ、カメラについてもほんの少しだけ教えてもらえたし、効率よくよく知らない御苑を周ることができて有難かった。

と、このような事も初めてで楽しかったが、冷静に初心者のカメラを買うとして(決めていないけれど)それなりに高価なのでもっと働かないと・・という何ともいえない焦りを感じたりもした。

別の日、北の丸公園、東御苑も訪れてみた。重厚な石垣の間を通り、同じように重厚な門をくぐりぬけやはりきっちり管理された苑へ進んで行った。もう1週間違うと話しに聞いていた様子とは違っていて、もちろん淡い紅葉もきれいだったが、たくさんの実を見ることができたし、松の樹の存在も立派だった。又空に向かう真っすぐな竹もきれいだった。にしてもとても寒かったことと、この時期のカラスの闘いの声が人など気にする様子もなく激しく往来する様子が印象的だった。あぁまだある。産毛のついたまだ固そうなこぶし、しだれ桜(他も)・・たちが次はわたし達だと順番を待ってほんの少しずつ変化しているように見えた。

秋のもみじ、夏は青々とした葉から秋にはこんなに紅く変化して落葉して土に還る。春はどのように葉がついてくるのだろう。人はもっと変化するのだから色がついていたらおもしろいだろうな・・とかすかに思った。

今年の紅葉は印象に残る素晴らしいものだった。

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